• エンジニアブログ

2022.07.28

ARで芸術作品を深く理解する - 『コレクション展Ⅱ 深掘り⁉美楽』への技術協力

こんにちは。要素開発グループの加藤です。
今回は上田市立美術館との共創について紹介します。

(注意:記事中のアプリ内AR画像には社内に配置したダミーを利用しています)

以前、同美術館で行われた『巨匠たちの10代』展にて私たちエプソンアヴァシスで技術協力させてもらったことを別記事で紹介しました

それに続き、現在開催中の展覧会『コレクション展Ⅱ 深掘り⁉美楽』においても上田市立美術館と技術協力の形で共創させてもらいました!

poster.jpg

このコレクション展は、上田市立美術館が所蔵している芸術作品の一つ一つについて「この作品はどのようにして作られたのか」「この作家が持つ作風は何が特徴なのか」をパネルや特設コーナーでいつもと違った角度から解説しています。そうすることで作品や作家についてより深く理解し、潜む奥深さに気づく楽しみを伝えてくれます。
目の前にある作品が様々な見え方で眺められるようになる面白い展覧会ですね。


※上田市行政チャンネル サントミューゼ・ニュース vol.92 より

私たちは本展で鑑賞補助のためのiPadアプリを作成しました。作品に向けるとその作品に『触れる』ことができ、新たな"美"術作品鑑賞の"楽"しさ、奥深さを体験できるアプリです。

たとえば山本鼎の『ブルトンヌ』にカメラを向けたとします。すると版画の版が1枚1枚めくれるアニメーションと共に画面が変わります。

revealing.png

そしてそれぞれの版に使う色を「服はピンク、空の色は明るいブルー〜」などと好みの色で選び直せます。台紙もオーソドックスな紙だけでなくレインボーや昔懐かしいお菓子を思い起こすデザインなど、クスリとするようなものに刷ることができます。 選んだ結果はARを使いオリジナルの作品に並べて鑑賞できます。

print_compare.png

ブルトンヌ以外にも中村直人の『婦人像』では氏特有の長い首の度合いを変化させられる画面も作成しました。
このように、展覧会で作品を掘り下げるための様々な説明や体験コーナーが用意されている中、アプリでは作品の特徴を分解し自分なりの美楽で再構築する役割を担えるよう作り上げています。
ぜひ展覧会会場にお越しになり、アプリを触ってみてください!

ちなみにアプリは今が最終形ではなく、今後も他作品で深掘りできる機能を追加予定です。そしてアプリ内側の技術的な話はまた別の機会に紹介できたらと思いますので、楽しみにしていてください!

展覧会の詳細情報はサントミューゼのホームページで見られます。あわせてご覧ください。

以上、上田市立美術館との共創のご紹介でした!